Vol.108 『~古今東西の美しき調べ~90分間 世界3周の旅』


新型コロナウイルスの感染者数も落ち着き、1年間お待たせの

 クラリネットの鈴木孝紀さんとピアノの宮川真由美さんをお迎えできることになりました。
 宮川さんからは♪地球大旅行的な選曲と多岐にわたるジャンルで密密密で演奏させていただきます♪とのメッセージが届いています。
 どうぞ、お楽しみに

2021年4月18日(日)

昼の部13:00開演(12:30開場) 60名様

夕の部16:30開演(16:00開場) 60名様


★参加費 3000円

 

★出演

鈴木孝紀 クラリネット

宮川真由美 ピアノ

 

■プログラム

さくらさくら(日本古謡)
 故郷の春(韓国、北朝鮮古謡)
 燕になりたい(中国古謡)
 賽馬(モンゴル古謡)
 ハバナギラ(ウクライナ古謡)
 庭の千草(アイルランド古謡)
ロングアンドワインディングロード(イギリス、ビートルズ)
 クラリネットポルカ(ポーランド民謡)
 仔犬のワルツ(ショパン、ポーランド)
 プーランククラリネットソナタ(プーランク)
 クラリネットをこわしちゃった(フランス民謡)
 vestige(鈴木孝紀オリジナル)
 鳥の歌(カタローニャ地方古謡)
 月のメドレー(月の光、炭坑節、ムーンライトセレナーデ)
 スペイン(チックコリア)
 ラプソディインブルー(ジョージガーシュイン)
 ベシゴスタス(Waldir Azevedo)



プロフィール

 

   鈴木孝紀   大阪音楽大学音楽学部クラリネット専攻卒業。
 卒業後、クラシック奏者として、室内楽やオーケストラなど多数のコンサートに出演。
 ジャズミュージシャンである家族の影響を受けてJazzに傾倒し、演奏活動を開始。
 現在、ジャンルを問わず様々なミュージシャンとの共演を重ねライブ活動を行っている。
  大阪音楽大学で教鞭をとり、学外での開放講座等も複数行っている。

   宮川真由美
  大阪音楽大学 器楽学科ピアノ専攻 3歳のころから、鍵盤楽器に親しむ。
 クラシック、ジャズ、ラテン、ロックなど様々なジャンルで作曲、編曲、演奏家
として活動中。躍動感ある演奏スタイルは、踊るピアニストと呼ばれる。
 http://www1.kcn.ne.jp/~kei-u/mayumi/


するりするりと世界を巡る音楽の旅へ                     小玉秀美

 

 いきなり響くバスクラリネットの深い音。それはまるで、豪華客船の汽笛の音のようで、そこにそっとピアノが寄り添って、静かに静かに、世界旅行が始まりました。子どもの頃に『80日間世界一周』をワクワクしながら読んだことを思い出しましたが、今回の旅はそんなゆっくりしたものではなく、90分間世界3周の旅。日本のさくらさくらで始まった旅は、韓国、中国、モンゴルへ。近い国なのに、こんなにも音楽が違うのだと改めて感じました。

 クラリネットといえば、吹奏楽やオーケストラでは欠かせない楽器。そして、吹奏楽ではヴァイオリンに匹敵するメイン楽器。しかし、なかなかソロで聴くことは少なく、知っているけど知らない楽器なんです。バスクラリネットを初めて見た方もたくさんいらっしゃったようでした。今回は、クラリネットについてとても楽しく面白く解説してくださいました。中東やトルコで盛んに使われているというお話のあとに、ハバナギラ(ウクライナとルーマニアにまたがるブコビナ地方の民謡を元にしたイスラエル舞曲…これだけで何カ国旅してるんでしょう!)の力強い演奏。中東音楽やトルコ音楽はどの楽器を使ってるのかとずっと疑問に思っていたのですが、これで解決。クラリネットの表現の豊かさに驚きました。

 その後はガラッと雰囲気を変えて、超絶技巧の超速曲、クラリネットポルカと子犬のワルツで軽快に明るく、違う世界に飛んでいきます。プログラムの組み立てにワクワクが止まりません。

 今回のプログラムは有名な曲ばかり、でも、どの曲も新鮮。それは、一つの曲の中でもクラシックをするりと抜け出して、多様なジャンルにいつのまにか入り込んでいるからではないでしょうか。月のメドレーでは、「月の光」と「炭坑節」と「ムーンライト・セレナーデ」を並べて、まったく違和感がない。すべて宮川さんのアレンジだそうですが、これぞ宮川マジック?音楽のジャンルも、国も、すべてするりするりと超えていく、このアレンジの妙に、気持ちよくハマってしまいました。ジャンルを超えるというのは、素人が思うほど簡単なことではないと思うのですが、このお二人はいとも簡単に(簡単そうに)超えていく。そして、演奏が進むほどに、どんどん音が透明になっていく気がしました。これは、光の三原色を混ぜるとどんどん明るくなって白になるのと同じで、ジャンルを混ぜれば混ぜるほど透明になっていくのではないかと思ったのでした(根拠はどこにもありません。あくまでも個人の感想です)。

 数年前に大阪の音響カフェで鈴木さんのライブを聴き、これを桜の庄兵衛で聴いたら素敵だろうなと思い、奥野さんに話を持ちかけました。人の縁は不思議なもので、鈴木さんは、桜の庄兵衛ライブでおなじみのピアノの宮川さんと一緒にライブをされていたのです。縁がつながって、この演奏会が実現しました。最初は、宮川さんはとても関西人(どういう意味?)なピアニストで、鈴木さんは真面目そうだし、大丈夫かなと思ったのですが、彼も関西人でした!まさか、コントが見られるなんて!しかも、鈴木さん、宮川さんを食ってる?いい意味で予想を裏切られた楽しい90分でした。これも、音楽(とトーク)を楽しんでほしいというそれぞれの思いが二人分合わさって、倍以上の楽しさに結実したからだと思いました。これぞ、ライブの醍醐味。思い切ってお願いしてよかったと、心から思いました。このライブを実現してくださった皆様に感謝!