Vol.106 「穂長月 刻むリズムの コンサート」


桜の庄兵衛のコンサートをいつも楽しみにしてくださっている皆さま、お元気ですか?
二度目ましての田島隆と、はじめましての池田安友子の、「ふたりで打ち合わせ」初登場となります。
手を打つ、足を踏み鳴らす、地団太を踏む、感情表現でもある「打つ」という行為。
今年の思いもよらなかったいろんな「初めて」の体験をすべてワクワクに変えて、
太鼓を打ち鳴らして、お会いできる皆さまと、楽しい時間を過ごせますよう願ってます。(安友子)

2020年9月20日(日)

昼の部13:00開演(12:30開場) 45名様

夕の部16:30開演(16:00開場) 45名様


★参加費 3000円

 

★出演

 田島 隆   タンバリン

 池田 安友子 パーカッション

 

■プログラム

 スヌンテッラ
 大きな古時計(ヘンリー・クレイ・ワーク)
 コース「ふたりで組み合わせ」
 世界一周337便
    他

 



プロフィール

田島隆 http://tazy.jp
世界各国のタンバリンやフレームドラムを演奏する日本で唯一のタンバリン専門の演奏家。
幼少期より鍵盤楽器をはじめ管・弦・打そのほとんどの楽器を習得し、作曲も行う。
独自の奏法や数々のオリジナル楽器を製作するなど、タンバリンやフレームドラムを使い、今までに無い方法論で音楽を表現する。
毎年ドイツにて行われるフレームドラムフェスティバル「タンブリ・ムンディ」へ招待され、コンサート、レクチャーを行う。
国内においても全国各地でコンサートやワークショップ、教室を開いている。

池田安友子 http://ayuko.jp/
大阪芸術大学卒業。現在ジャンルや国内外問わず、コンサート・ライブ活動をジャンルを跨ぎ精力的に展開している。
ミュージカルや即興劇、個展でのソロパフォーマンス、ストックホルムジャズフェスティバル、ロチェスタージャズフェスティバル等の海外公演や
野外フェス、Fried Prideや佐藤竹善などさまざまなアーティストとのライブやレコーディング、Eテレ「シャキーン!」など、多数参加している。
銭湯から大ホールまで、楽器から楽器でないものまで、人と場所とオモシロイ音と、出会いを求めて全国行脚中。
2013年5月長野県白馬でフィールドレコーディングしたパーカッションソロCD「こだま」発表。
日々の生活のいとなみや自然への畏敬をうたう女性5人組「Colloid」、パーカッションパフォーマンス「Beat JACK」メンバー。


「情熱、二人でリズムの打ち合わせ」               安田 由紀

 

 タンバリンの田島隆さんとパーカッションの池田安友子さんのコンサートは、いつのまにか自分自身がいろんな物を叩いて(打ち鳴らして♪)リズムや音色を楽しみたくなるような、ワクワクするコンサートでした。

稲穂が最も長く成長する季節である9月に、「桜の庄兵衛ギャラリー」で開催された「穂長月 刻むリズムのコンサート」。暑さも和らぎ、心地よい風を感じながら、次第に盛り上がっていく演奏に引き込まれていきました。

 

「タンバリン」と言えば、誰もが子どもの頃からなじんだ打楽器ですが、田島隆さんは日本で唯一のタンバリン専門の演奏家です。メロディのないタンバリンにどんな奥行きがあるのか、興味津々でした。

紀元前5000年頃には存在していた、民族楽器としてのタンバリンが紹介され、演奏は「タンバリンで世界旅行!」から始まりました。

 

スタート日本の宗教的なうちわ太鼓もフレームドラムでした。中国では蛇の皮、インドではトカゲの皮を使ったものが出てきました。アフリカのナイジェリアでは枠が陶器でできた物、エジプトでは重さ3キロもある大きな物もありました。トルコ、イタリア、ポルトガル、アイルランド、ブラジルと渡り歩き、様々な個性あるタンバリンとその楽器に合ったリズムや打ち方を楽しみました。

 

世界旅行にはいつの間にか池田安友子さんが、不思議なパーカッションの音色を携えて加わっていました。安友子さんは楽器から楽器でない物まで、人と場所とオモシロイ音との出会いを求めて、パーカッションパフォーマンスの活動を展開されています。並べられたパーカッションは、とても小さな物まで無数にありました。実はご夫婦だったお二人の息の合った演奏に、いつも一緒に活動されているのかと思いきや、普段はほとんど別々の活動だというお話でした。

 

田島さん作成の「タジバリン」の演奏もありました。皮を締めたり弛めたりが瞬時にでき、音階も出せるという、ご自慢のオリジナルタンバリンです。タジバリンを演奏する田島さんの指先の速い動きは、細やかで滑らかで、桜の庄兵衛だからこそじっとそれを目で追うことができました。

 

最大の盛り上がりは、何と言っても「ふたりで組み合わせ」でした。タンバリンとボンゴのリズムの掛け合いから、時々見つめ合いながら、田島さん曰く「情熱、こすり、しゃくり上げ」に発展、客席からも「オー」という歓声や、「ワー!」というどよめきが起こりました。

 

田島さんの一貫した楽しい語り口と安友子さんの最高の笑顔にも、私たちは惹きつけられました。ぜひまたお二人の打ち合わせを聴きたいと思いました。そして、何だか無性に誰かとリズムの掛け合いがしたくなり、次の日、孫娘と一緒に家中の物を並べて打ち合わせを楽しみました。