Vol.99 「彼岸入り 寒さもここまで さあ笑お                                                                     桜の庄兵衛で九雀亭 vol.3」

 

 

 

2019年3月17日(日)

昼の部13:00開演(12:30開場)

夕の部16:30開演(16:00開場) 

 

★出演

  桂 九雀
 前座
  桂 九ノ一
 お囃子
  高橋 まき

 

 



■プロフィール■

 

桂 九雀
1979年(昭和54年)3月1日 桂 枝雀に入門。
マイクロフォンを使う必要のない会場で、生の声、生の三味線、生の鳴物による 落語会の開催に力を入れている。
1984年 放送作家・東野 博昭が旗揚げしたカラードシアター・ヘテカラで演劇の初舞台。以降、ヘテカラ全公演に出演。
また、劇団リリパットアーミー、劇団MOTHERなど関西小劇場等へ多数客演の経験がある。
2005年7月に落語的手法による芝居「噺劇(はなしげき)」をスタートさせ、継続的に公演を行っている。
上方落語独特の演出「ハメモノ」を、和楽器以外(ハーモニカ、バイオリン、リュート、中国琵琶、マンドリン)で演奏する新作落語(作・小佐田定雄)も多数ある。
また上方落語の長編「地獄八景」は、必ず、マリンバ(演奏・後藤ゆり子)入りで、上演する。
オーケストラやフルートアンサンブルと共演した「ピーターと狼」、吹奏楽伴奏で上演したオペレッタ「メリーウィドー」は、どちらも落語形式で演じられた。
2013年、吹奏楽団・セントシンディアンサンブルと創作した吹奏楽落語「新出意本忠臣蔵(しんでいほんちゅうしんぐら)」(作・小佐田定雄)は、
各地で再演を重ねる、代表演目となった。
奈良県王寺町での「子ども落語教室」、NHK文化センター「落語講座」をきっかけに、アマチュアへの指導を始め、常時30人~40人の生徒がいる。

 趣 味
 将棋(アマチュア三段)・詰将棋創作・クラリネット・ギター

 


九雀亭の後は、討論会!?          堀江ファミリーコンサート 父・母・次男

 

~いつも夏にコンサートをさせていただいている『堀江ファミリーコンサート』の司会兼父親担当の堀江政生です。今回、妻(從子(よりこ))と次男(恵太・ヴァイオリン担当)が『桜の庄兵衛で九雀亭vol.3』に伺いましたので、その模様を対談形式でお届けしてまいります。私もかつてvol.1に行かせていただきましたので、雰囲気はなんとなくわかっているつもりですので、不肖・堀江政生、二人にインタビューをいたしました。最後までよろしくお付き合いください~

―――從子さんは、生で落語を見るのが初めてだそうですね?

 最初に庄兵衛さんに着いて、ずいぶん高い台がおいてあるな~と思ったら、あんな高いところで喋るんですね。え~?ここで喋るの?ってびっくり!

恵 ホールのようなところでやるときは違うけど、特設の高座はあんな感じだよね。高座というくらいだから。あれでいつもの庄兵衛さんが『寄席』の雰囲気に様変わりするんだから面白いよね。

從 お風呂屋さんの番台みたい!

恵 おかん、うまいこと言うね!

―――だったら、番台の方に座りたいもんだな~

恵 おとん、つまんないこと言わないの!!

―――すんません。で、恵太は落語をよく聴いているよね?

恵 詳しいわけではないけど、このところずっと立川談志師匠が子守歌。寝るときに聴いている。緩急の付け方や、クライマックスへ持っていくテンポ感、どこか落語と音楽が似ているように感じているんだよね。今日、九雀師匠の落語を生で聴いて、やっぱりその思いを強くしたんだ。

―――おっと。いきなり核心をついてきましたね。

從 私たちがやっているクラシック音楽と共通点は多いかも。昼の部で九ノ一さんがやった播州巡りにしても、夕方の部の九雀さんの池田の猪買いにしても、関西の地元の話なんだけど、昔の話。そこへもっていく導入部分で今の世相をしゃべってくれて、聞き手の頭の中をきれいに整理してくれて、そこがうまいな~って思いました。

恵 九ノ一さんもうまかったですね。

 汗びっしょりで、大熱演!あと、お囃子が素敵だった。宴会の場面のしゃみ。どんどん絵が浮かんでくるんだから、あれはすごい。

―――僕も、昨年伺ったけど、落語を聴いているんだけど、一人芝居を見るようだった。一つ一つの所作が、とても座って喋っているとは思えないくらいの迫力とリアリティだった。

なんか、言葉にすると薄っぺらいけど、そんな風に思ったな。

 食べるものも、飲むものも。何を食べているか、飲んでいるか、モノによって全部変えている。土壁を食べる場面なんか、モサモサと飲み込みにくい。こっちの口の中に土壁の味がひろがってくるんだから、ほんとに芸の力とはこういうことかと実感しましたね。とにかく顔の表情、向き、ほんの少しだけ動かしているだけなんだけど、変化しているの。

 声もそうね。一人で何役もやって差をつけているんだけど、無理に作っていない。自然なんだよね。

―――終わってから、少し師匠と話をしたんだそうだね。

恵 すごくありがたい話をいただいた。「作品はもともとよくできているから、本来の面白さを伝えることを一番に考える。自分はそこに少し解釈を加えるだけ。あんまりやると改悪になる。それは、あかん。あの話が面白かった。そういう風に思ってもらうためには努力をしないといけない」

  僕も今、同じことを考えて勉強しているんだ。ブラームス、ベートーヴェンetc.がいい作品を残したと聴いている人に感じ取ってほしい。自分の演奏はそのための手段に過ぎないって。

―――なるほど。作品>演者ということか。今日は素晴らしい出会いがあった一日だったようだね~、從子さん!

從 zzzzzzzzzzz

恵 寝とんかい!!

―――おあとがよろしいようで・・・